通訳案内士の仕事内容とは?


必要な資格や収入について解説

近年、訪日外国人の数が増え続けている日本では、通訳案内士の需要が高まりつつあります。高い語学力が必要になりますが、日本の文化や歴史、経済などを多くの外国人に伝える、とてもやりがいのある仕事です。

ここでは、通訳案内士の具体的な仕事内容や資格、収入について解説していきます。

通訳案内士の仕事内容とは?

まずは、通訳案内士の具体的な仕事内容について見ていきましょう。

通訳案内士の仕事内容

通訳案内士とは、訪日した外国人をさまざまな観光地に案内しながら、日本の文化や伝統、魅力などを外国語で伝える仕事です。そのほか、ホテルの予約やスケジュール管理、滞在中のトラブル対応といった業務を担うケースもあります。そのため、英語をはじめとする外国語のスキルはもちろん、外国人に伝えるべき日本の文化や歴史、経済といった知識を持ち合わせていることも必要です。

また、通訳案内士は、日本のイメージに大きく関わることから「民間外交官」とも呼ばれており、まさにプロの観光ガイドといえるでしょう。

通訳案内士の就職先は?どんなシーンで活躍している?

通訳案内士の就職先では旅行会社などが挙げられますが、実際にはフリーランスとして働いている人がほとんどです。その背景には、訪日外国人の増加に伴い通訳案内士の需要が高まっている一方、正社員として雇用している企業が少ないという現状があります。とはいえ、通訳案内士の資格を保有していれば、旅行会社や代理店の総合職採用で有利になるケースも多々あるようです。

また、フリーランスとして仕事をする場合は日本観光通訳協会などの通訳案内士の団体に登録し、そこから仕事を斡旋してもらうというのが一般的です。

通訳案内士の1日の仕事スケジュール例を紹介!

通訳案内士の仕事スケジュールは、ツアーの内容や宿泊の有無などによって異なります。以下は、一般的な観光ツアーの例です。

・9:00 出勤・・・お客様が滞在しているホテルで合流
・10:00 観光地案内・・・お城や神社仏閣の案内・質疑応答
・12:30 昼食・・・お客様が昼食をとっている間に午後のスケジュール確認
・14:00 美術館見学・・・入場券を購入し、館内を案内
・16:00 お土産購入・・・お土産を紹介しながら買い物スポットを案内
・18:00 勤務修了・・・お客様をホテルへ送り届ける
・20:00 翌日の下調べ・・・翌日の案内に備えて情報収集

通訳案内士になるために資格は必要?

2018年に通訳案内士法が改正されて以降、資格を持たなくても通訳案内業務の実施が可能になりました。
しかし、通訳案内士として仕事をするのであれば、資格保有者の方が有利になります。

通訳案内士には、「全国通訳案内士」という国家資格がある!

通訳案内士には、通訳案内士として必要な知識および能力を有するかどうかを判定する「全国通訳案内士」という国家資格があります。この資格は、高度な外国語能力および日本全国の歴史・地理・文化に関する高い知識を有する証であり、2019年時点の登録者数はおよそ2万5,000人です。

外国語の種類は英語をはじめ、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語があり、年齢や性別、学歴、国籍などに関係なくだれでも受験できます。

「全国通訳案内士」資格を取得すると、どんなメリットがある?

訪日外国人のニーズは多様化しており、専門資格なしでそれに応えるのは困難だといえます。

実際、法改正があった2018年に、日本人ガイド(無資格者)と訪日観光客をマッチングさせるサービス「Travee」がリリースされましたが、多様なニーズに応えられなかったことから、わずか1年ほどで運営終了となりました。

そもそも全国通訳案内士試験の意義とは、一筋縄ではいかない訪日外国人のニーズに対応できるプロフェッショナルを輩出することです。そのため、幅広い知識がある有資格者を求める声が多く、活躍できる環境も保持されているのです。

やっぱり気になる!通訳案内士の収入はどのくらい?

通訳案内士の収入は、勤務先や働き方によって異なります。
旅行会社などに勤めている通訳案内士の場合は、初任給は20万円程となり、スキルや経験を積んでいけば年収400万円以上も可能です。また、能力によってはさらに高収入を得ている人もいます。

一方、フリーランスの通訳案内士は、スポットで仕事をするため日当になります。金額はツアーの内容や登録しているエージェントによっても変わりますが、1日のガイドで3万円前後が相場です。
そのほか、食事手当や時間外手当の有無などもエージェントによって異なります。

まとめ

通訳案内士は、訪日外国人を観光地に案内するだけでなく、日本の文化や伝統、魅力などを外国語で伝える、とてもやりがいのある仕事です。法改正により現在は資格を持たなくても通訳案内ができるようになりましたが、訪日外国人の多様化するニーズに応えられるのは、やはり有資格者となります。
また、全国通訳案内士は国家資格であり、活躍できる環境も保持されているため、通訳案内士を目指すのであれば資格取得を推奨します。

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